取り組み概要

「更木活性化協議会」とは?    

地域産業「養蚕」をベースに更木地域を元気に。

 「更木活性化協議会」は農山漁村の活性化と自立および維持発展に向けて積極的に取り組む団体を応援する農林水産省の「農山漁村振興交付金」を活用し、更木地区(岩手県北上市)の地域活性化に取り組もうと2021(令和3)年8月に誕生しました。

 活動にあたっては金融庁の有志でつくる地域課題解決支援チームをはじめ、岩手県内外の大学・金融機関・一般企業、北上市など、さまざまな分野のスペシャリストたちと連携。地域外の視点やアイデアを積極的に取り入れ、地域産業である「養蚕」をベースに更木地区が抱えるさまざまな地域課題を解決していこうとチャレンジを続けています。

「更木」はどんな地域?   

縄文の昔から現代へ。歴史文化に彩られた地域。 

 農商工のバランスがよく、北東北随一の産業集積都市として発展を遂げる岩手県北上市。その北東に位置する更木地区は、縄文時代中期・後期の土杭と柱穴群、平安時代の住居跡、さらには中世和賀氏の城舘の塀などが発見された珍しい遺跡「八天遺跡」(国指定文化財)をはじめ、多くの歴史文化に彩られた地域です。

 北上川と猿ヶ石川に挟まれた肥沃な土地に恵まれた平地では稲作が盛んで、豊かな自然に包まれた山間地域では小麦やソバ、さらに同地区の特産・桑茶の原料となる桑の葉も栽培しています。

 また、近年では全国的にも衰退の一途をたどる養蚕の技術と文化の継承にもチカラを入れています。

★更木地区の概要・歴史・文化など詳細はこちら! ▶▶▶▶▶ 岩手県北上市更木地区ホームページ

更木地区が抱える課題とは?  

人口減少、高齢化、耕作放棄地、空き家……。

 更木地区は新幹線が停車する「北上駅」にもクルマで15分ほどの便利な場所にありながら、その人口は過去9年間で20%も減少し、現在は1,039人(2022年1月時点)に。さらに高齢化率が高く、耕作放棄地や空き家も増加しており、地域産業としてチカラを入れる養蚕業についても人手不足や後継者不足で技術や文化の継承が困難となっています。

【更木地区が抱える課題】
人口減少と高齢化
耕作放棄地や空き家の増加
就業の場の不足 
地域産業である養蚕業の衰退

課題解決に向けた取り組みは?   

認知機能に働きかける「養蚕」の新しい可能性。
桑・蚕蛹・繭・生糸……すべてを活用して地域を元気に。

 更木地区は古くから養蚕が盛んだった歴史があり、そうした地域特性を踏まえて近年チカラを入れている養蚕業を活用した取り組みが地方創生の特徴的な事例として2020年に内閣官房より表彰されました。

 さらに2021年には岩手大学発のベンチャー企業が発見した新物質「ナトリード」(養蚕技術を活用して得られた「カイコ冬虫夏草(とうちゅうかそう)」から発見)が認知症への新たなアプローチになると判明。その成分の原料となる「蚕蛹」を全量買い取りする民間業者も現れるなど、改めて更木地区の養蚕業に注目が集まっています

 今までは繭から生糸になる過程で廃棄されていた「蚕蛹」が健康食品や医薬品などの分野へと活用がひろがれば、蚕の餌となる桑の葉にはじまり、蚕蛹、生糸と、「養蚕」にかかわるすべてが廃棄されることなくヒトのために役立つことに。それはSDGsの観点からも、さらには衰退が進む養蚕業の未来にも大きな希望となります。

 養蚕業の技術と文化の継承にチカラを入れてきた更木地区では、この機会を地域活性化にもつなげ、持続可能な地域づくりを推進。具体的には養蚕業(繭)をベースとした特産品を開発することで新たな産業を生み出し、働く場も確保したいと考えています。

 さらに、夏には多くのヒトが集める「更木夏まつり」(更木桑茶新茶まつり・八天縄文まつりを合同開催)も開催されることから、その「まつり」とともに「養蚕」に関連した体験イベントも企画。そうした取り組みを通して更木の魅力をPRしながら首都圏など田舎暮らしに興味のある方に更木に足を運んでもらうきっかけをつくり、体験を通してつながりをひろげ、関係人口の拡大と将来への移住・定住につなげていきたいと、さまざまな活動を展開しています。

【解決に向けた取り組み】

人口減少と高齢化     
●地域外の方に向けて、養蚕体験の開催や繭細工を活用した特産品を開発し、
  更木地区とともに養蚕への関心を高める
同時に地域外から多くのヒトが集まる「夏まつり」をさらにPR

耕作放棄地や空き家の増加 
●空き家を整備・管理・活用し、未来の移住・定住につなげる 

就業の場の不足
●繭細工など養蚕を活用した特産品の開発(農閑期の就業に)

地域産業である養蚕業の衰退
●健康食品や医薬品などへの蚕蛹の活用(養蚕農家の収入アップ)
繭細工など養蚕を活用した特産品の開発(養蚕農家の収入アップ) 

団体概要  

団体名/更木活性化協議会

代表/平野直志

事務局/〒024-0103 岩手県北上市更木12-151-1(更木地区交流センター内)

Tel/0197-66-2569 Fax/0197-66-2569 

Mail/saraki-kc@chime.ocn.ne.jp(お問い合わせページへリンク)

活動地域/岩手県北上市更木地区

地域協議会構成員 

更木町振興協議会

株式会社 更木ふるさと興社

北上信用金庫

よい仕事おこしネットワーク(事務局:城南信用金庫)

北上市地域おこし協力隊

北上市

連携団体 

株式会社 バイオコクーン研究所

岩手大学

一般社団法人ワークデザインラボ

福島学院大学

明治大学

岩手ダイアログ